モロッコ旅行記Season1
モロッコ旅行記1 メルズーガ
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モロッコの旅4 「メルズーガ」 ~幕の内弁当のような一日~ |
サハラ(メルズーガ)
朝、リヤドにアハメッドとオーマが迎えに来た。 ぐるりと中庭を囲んだ形に並んだ客室の二階だったので、 部屋の前の通路の手すりから身を乗り出すと、 下の中庭のようなロビーから二人が上を見上げている。
オーマ、3日目ともなると笑って手を振ってくれるようになった。ちょっと嬉しい。
↑またまた草原が続く。シャウエンに向かう時より短い草が多い。
途中のルートは二つあり、まっすぐ砂漠に向かう道と、 ちょっと回り道だけどスイスのような景観のイフレンという町を通る道。 私はイフレン経由の道を選んだ。 標高が高くなるにつれて、空気がひんやり澄み渡ってくる。 よく見るとこの辺の木々は針葉樹林だ。 冬には雪が積もって道路が閉鎖されたりもするらしい。 アフリカのモロッコ、暑い国だと思っていたが、こんな面もある。 オレンジ色のとんがり屋根の建物がいくつか見えてきた。 イフレンの町だ。 お金持ちが行く大学がある町らしい。 そして真っ青な空に新緑が眩しい。
100年ほど前、実はこの辺にはアトラスライオンという種類のライオンや虎がいたらしい。 でも今は、殺されていなくなってしまったそうだ。 アトラスライオンは大きなライオンで、イフレンの街に等身大の石像があるというので、 そこも見に行ったが、「ほんまかいな!?」ってサイズの石像だった。 あんなでかライオン、何食べてたんだろう?と疑問に思った。
その後、サルのいる森を抜けて、サルの親子に遭遇。かわいい。
そこを過ぎるとだんだんと木々は少なくなり、 更に進むと草も減り、ごろごろと石ころが転がっているのが目立ってくる。 ミデルトという町に着き、ここでランチ。 レストラン内に普通に猫が歩いていたが、誰も何も気にしない。 ここはりんごの産地でデザートにアップルパイがついていた。
午後も車でひた走る。 ごろごろ石ころの平野はいつしかダイナミックな渓谷の景観に変わっていく。
その岩山もだんだんと渇いた大地に変わっていく。
エルフードという町に到着。 トイレ休憩がてら、化石記念館のような場所に寄る。 エルフードは化石の町なのだ。 いろいろ化石を見せてもらい、案の定最後に「化石買わない?」との話になる。 「No thank you」と断ったが「安くしとくよー。」と食い下がってくる。 「あー、めんどくさいなぁ」と思っていると、 横からアハメッドが「ありがとう!じゃ、行こうか。」と、 化石記念館の人にさりげなく言って、その場を去った。 あれ?もしかして助けてくれた? 町も人もこの辺りまで来るとかなりアフリカ色が強くなる。 BGMの叙情的なアフリカンミュージックが景色と相俟って心にぐっとくる。 あるホテルの前で、今まで共に旅したイエローワゴンから、一旦4WDに乗り換える。 4WD専門ドライバーが加わり、3人で砂漠に向かう。 メルズーガまでは道なき道を行くので、普通車では厳しいのだ。 4WDで石ころ砂漠のような所をぐんぐん走る。 30分ほど行くと遠くにベージュの美しい砂丘が見えてきた。 今晩の目的地、メルズーガ大砂丘だ。
自分は今、サハラ砂漠にいる。なんかうそみたいだ。 今日一日で古都の迷宮→お花畑と草原→残雪の山脈とスイスのような景色→ ダイナミックな岩と渓谷→砂漠と、一日で様々な景色を見た。 まるで豪華な幕の内弁当のようだ。 (みなさまこの日最初の頃の写真と景色比べてみて下さいませ!) メルズーガに到着し、大砂丘の目の前のオーベルジュ(=ホテル)にチェックイン。 この時、アハメッドがサンセットとサンライズのらくだツアーの予約をしてくれた。 東京のツアー会社にツアーを申し込む時に、らくだは乗れるか?と問い合わせをしたら、 その時は担当の人が「大丈夫」と言ったのでそのつもりで申し込んだが、 実際日程表が来たら、らくだツアーの記載がなく、 再び問い合わせたら「ついていません、勘違いでした。」と言われた。 口コミであまり評判のよくない会社だったが、やはりひどい会社だ。 移動中アハメッドに「らくだ乗るんでしょ?」と聞かれて 「それが、らくだツアーがついてないみたいで…」と言ったら、 「なんで!?」と聞くので「わたしもわからない」と言っていた。 「ホテルでオプションでツアー申し込もうと思ってるけど…」と言っていたのだが、 さっさと手配してくれたようだ。 日本のツアー会社よりも、委託されてるモロッコのツアー会社の方が よっぽどしっかりしてるよなと思った。 アハメッドは「Enjoy!」と言ってエルフードの町に戻って行き、 私はらくだツアーへ。
いくつからくだのグループが砂丘へ登っていったが、このグループは私一人。。 らくだおじさんに引かれてらくだに乗って歩いていると、 丘から東洋人のカップルが下りて来て、驚いたように私を見ていた。 「日本の方ですかー!?」と声をかけると「はい。」と言う。 女性の方が「一人で来たんですかー?」と言うので「そうです。」と答えると、 二人とも「えぇー!すごい!!」と更にびっくりしていた。 なんだか気恥ずかしい感じで「じゃ!」と私は丘に向かった。 遠くの方にらくだ隊のグループは見えるものの、おじさんと二人きり日が暮れかけの砂漠。 何もないだろうとは思いつつ、ちょっと不安な感じは否めない。
おじさんは「ラクダハラクダ」とダジャレを挟みつつ、「ハァーツカレタ。」とたまにぼやく。 確かに実際歩いてみて、砂丘を歩くのがどれほど大変かわかった。 膝下くらいまでずぼっと砂に埋もれてしまうので、とても歩きにくい上に思いのほか急勾配なのだ。
30分ほど行き、丘の上に到着、おじさんがカーペットを敷いてくれてここに座りなと言う。 二人でじーっと座って日が沈むのを待つ。 「おじさんはサハラ生まれ?」と聞くと「そうだ」と言った。 おじさんが「キャンディ!」というので「飴?」と持っていた飴をあげた。 日本の飴が好きなんだと言ったが、彼なりのコミュニケーションだったのかもしれない。
地平線の向こうに太陽が落ちていった。 残念ながら下の方は雲がかかってしまっていたが。 おじさんが「いくよー」と斜面にカーペットを敷き直し、またここに座れと言う。 「ん?」と思って座ると、カーペットを斜面の下に引っ張った。 「きゃー!」と叫んだけど、これ、天然の滑り台。おじさんの粋な計らい。 帰り道もおじさんはらくだを引きながら「ラクダハラクダ。ハァーツカレタ」とずっと言っていた。
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