ベニワレンだけじゃない!〜個性的なモロッコラグのデザイン〜
トルコやイランなど、絨毯作りが盛んな地域はありますが、
モロッコも絨毯の産地であり、近年インテリア雑誌などでは
おしゃれなラグとして注目される事が多くなりました。
ちなみにあなたはモロッコラグ(「モロッカンラグ」と呼ばれる事もありますね)
と聞くとどのようなラグを思い浮かべますか?
日本ではモロッカンラグと言うと
ベニワレンを思い浮かべる人が多いかもしれません。
ドラマやCMのセットでもさりげなく使われてるのをよく見かけます。
↑白地に黒のダイヤ柄が特徴のベニワレン
シンプルでどの様なお部屋にも合う万能選手のベニワレン。
また、お部屋をおしゃれで高級感ある空間に見せてくれる効果もあり、
これはこれでおすすめのモロッコラグです。
ですが、モロッコにはベニワレン以外にも様々な種類のラグがあり、
中にはかなり面白い掘り出し物もあります。
日本でも陶器や織物など地方によって特色が異なりますが、
モロッコのラグも同様に産地によって違いがあり、
またビンテージのものはより個性が細分化されます。
ご参考まで以下の記事で
代表的なモロッコラグの種類をご紹介しています。
その中でも「こんなデザインのモロッコラグもあるよ」と言う例を、
過去に販売したラグの中からご紹介させていただきます。
こちら↑の毛足が長くて柔らかいピンクのモロッコラグ。
掘り出し物で一点もののラグでしたが、
カラフルや派手派手原色なラグが大部分を占める中、
こんな洗練されたものも存在します。(なかなか出会えないですが)
メズィヤーンモロッコのラグは、
「うちはこういうテイストのランナップ!」という縛りは特になく
(多少「日本のお部屋に合わせやすいもの」という指標はありますが)、
その時その時で店主の琴線に触れたものを買い付けています。
ちなみに「ピン」と来るものに出会えるまで相当な数のラグを見ています。
それだけに、他ではなかなかない
希少な一点ものラグも取り揃えていたりします。
↑過去にはこんな変わり種もありました。
抽象的な模様のものが多い中で、
ラグ全体に絵が描かれているのは相当珍しいです。
また、絵心がある織子さんじゃないと織れないラグです。
それにしてもこのイラストのユルさがたまりません!
モロッコラグの魅力の一つに、
手織りの温かみがあると思っています。
機械で織られた様な四角四面のきっちりしたフォルムではなく、
少し歪んでいたり模様の配置バランスが偏っていたり。
でもそこにちょっと不器用な織子さんの
愛嬌みたいなものが見えるのです。
↑形に歪みがあったり、模様が不均等だったりしますが、
そんな所がなんとも愛らしい。
ブルーの色味のモロッコラグも数は少ないですね。
↑こちらはゼンモールという種類のモロッコラグでしたが、
ボーダーの幅が広くて定型のゼンモールとは違った個性的なデザインでした。
少しかすれた風合いも良かったです。
こういった変わったデザインは
ビンテージのラグによく見られます。
ビンテージのラグは販売用に織られたものではなく、
家庭で使うために織られたもので、
織り手の個性が強く出ているものが多いです。
モロッコラグとの出会いは一期一会と思っておいた方が良いです。
似たようなデザインがあっても、微妙にニュアンスが違ったり。
販売用の量産型であったとしても、同じ模様のものはなく、
全てが一点ものです。
↑これはモロッコで出会った
アフニフという種類のラグですが(ビンテージではありません。新品でした)、
悩んだあげく買い付けなかったのをいまだに後悔しています・・。
後日この写真を元にオーダーで同じラグを作ってもらいましたが、
やはり少しニュアンスが変わったものになってしまいました。
メズィヤーンモロッコで扱っているラグは、
膨大な数のラグの中を掻い潜ってきたある意味精鋭とも言えます。
毎回「これならお客さんも素敵と思ってくれるかな?」とか、
「こんなお客様のお部屋に似合いそうだな」と想像しながら、
ラグのチョイスをしています。
素敵なラグ選びの一助になれましたら幸いです。