【モロッコ旅行記 Season4 】6日目 <アトラス越え〜マラケシュ>

※この記事は2018年4月に
モロッコに行った時の記録をリライトしたものです。
モロッコ6日目。
朝8時5分発のバスに乗るのでまだ静かなホテルを出る。
チェックアウトしようと思ったら、
フロントのお兄さんがロビーのソファで寝ていた。
一晩中ここにいるんだね。お疲れ様だ。
私に気がついて「Sorry」って言ってたけど、
こちらこそ起こしてしまって申し訳ない気分になった。
歩いて10分くらいの所のスプラトゥール(長距離バス)の発着所。
時刻表を見ると砂漠方面の街の名前もいくつかある。
ケラア・ムグナもバスで行けるんだね。
しばらく待っているとバスがやってきた。
すでに人が乗っていたからどこかの街からやってきたバスだね。
私のチケットは座席番号1番だったので、明らかに窓側だったけど。
予想通り1番の席にはマダムがちゃっかり座っていた。
一応「No.1?」とシート頭上の座席番号を指差して聞いたら
「ウィ(はい)」と隣の席を指差した。(^ ^;)
モロッコのバスはその時々によって番号通りに座ったり
早い者勝ちだったりするそうなので、
ここはあきらめてマダムの隣の通路側に座った。
まぁ最前列で前方の窓からは景色が見えるしいいか。。
マダムは何も悪びれる様子はなく、お菓子をくれる。
細かいことにこだわってはモロッコではやっていけないね。(苦笑)
お天気は素晴らしく、山がきれいに見えた。
景色は素晴らしいがここは魔のバス酔い路線・・。
私は酔い止めを飲んで万全の体制だったけど、
斜め後ろの小さな女の子と、
真後ろの若い女性が吐いてしまっていた。
(行きは周りが男の人ばかりで全然大丈夫だったけど、
やはり女性や子供は酔いやすいのかな。)
私も酔い止めは飲んでいるとはいえ、そういう雰囲気につられやすい。
ひたすら気にしない様に違うことを考える。
隣のマダムもつられないように鼻の下にメントールを塗り塗りしていた。
マダムがつぶれたら本当に私もヤバい!頑張って!マダム!
ちなみにモロッコでは酔い止めというものが
存在しているのかしないのかわかりませんが、
そういうものを使う人はいなく、
対策としてはみかんを食べるとかメントールを塗るとからしい。
そして途中でトイレ休憩。
だいたいドライブインのような所に停まることが多いのだけど、
この時は山の中の集落のような所に停まった。


トイレがどこにあるのかわからなかったので、
ちょうど前を歩いていた隣の席のマダムに
「トイレはどこですか?」と聞くと、
数件あるうちのお店の中のトイレに案内してくれた。
アラブ式でトイレの前に小さいバケツがあったのだが、
「これを使うのよ!」とジェスチャーで教えてくれた。
バスに戻ってマダムも戻っていたので、
お礼にアメくらいしか持っていなかったのでアメをあげたら喜んで、
今度はヨーグルトとローズウォーター
(「これ顔につけるのよ!」とまたジェスチャーで教えてくれた。)、
をお返しにくれた。
ホブス(パン)も「食べる?」とくれようとしたので、
それは「結構です。(^ ^;)」と断った。
お返しが大きいよ〜。(笑)
バスは長い長いアトラスの山道を走り、マラケシュにやっと到着。
最後にマダムに「オルボワー!」(フランス語で「さようなら」)と言うと、
向こうも「オルボワー!」と微笑んで別れた。
最初はツンとした感じの人に見えたけど、マダムめっちゃいい人だった。
マラケシュに着いてとりあえずお宿に戻る。
13時ごろだったのでお腹も空いていた。
「何食べようかな〜」と考えていると、お宿のひかるさんが
「ドゥカラ門の所にタジン屋とか魚のフライ屋がある。」と教えてくれて、
あるのは知っていたのだけど、地元民ばかりなのと、
あまりにも大衆的な感じで一人で入るのはちょっと戸惑っていた。
まぁでもモロッコにもだいぶ慣れたしチャレンジだと思って行ってみた。
ドゥカラ門の内側を壁伝いに行くと店先でタジンを煮込んでいたり、
魚のフライを売っているお店が何軒か並んで入る。
地元のおじさんや若い男の子たちがうろうろしている。
観光客はあまりいないエリアなので、日本人の私は目立ってしょうがない。。
店を覗き込みながら入りやすそうな所を探して、
おばちゃんが優しそうなタジン屋に入ってみた。
中に入るとなるほど、素朴な作りのお店。
日本でいう大衆食堂のような場所なんだろうなと思った。
別に怪しい人とかがいる感じではない。


メニューはチキンタジンくらいしかなさそうだったので(他にもあったのかな?)、
チキンのタジンを頼んだ。

しばらくするとタジンとホブスが出てきたが、
タジンは味も美味しくて、
ワルザザードのレストランで食べたものとそれほど差は感じない。
値段はちょっと忘れてしまったけど、30DH(約360円)くらいじゃなかったかな?
(ワルザザードのレストランでは100DHくらいだったが。)
お店のおじちゃんとおばちゃんが「セボン?(おいしい?)」と聞いてくる。
「セボン!」と元気よく答える。(笑)
安くておいしい、入りづらいな・・という
ハードルさえ超えてしまえばとってもいいかも!と、
次回からまたここら辺の食堂を利用しようと思ったのでした。
お昼を食べ、天気予報では夕方から雨だったので、
早めにスークに買いつけに行くことにした。
今回モロッコ6日目にしてやっとスークへ。
お宿の近くの路地を歩いていると、
パトロール中のお宿の看板猫、アンちゃんとよくすれ違う。


最初の数日は「アンちゃん!」と話しかけると
「だ、誰ですか!?」という感じでおどおどされたけど、
6日目くらいになると「ア〜ン!」と鳴いて宿の玄関の前で待ちポーズ。
「開けて〜」の合図か。(私が宿泊客だと認識してるのだ。)
ドアを開けてあげると「ありがと〜」と言う感じで中に入っていく。
さて、私もスークへ急がねば!
宿からスークまでは歩いて10分ちょっとだが、相変わらずな感じ。
地元民御用達の小さな商店や露店が並んで、
道幅2メートルの所をバイク、ロバ車、人々がごったがえしている。
土埃とスパイス、ニワトリ、ネコの匂い。
カオスである。。。
そんなカオスな通りを今回は工事をしていて、
畳一畳深さ1メートルちょっとの穴が空いている。
みんなその穴を避けて歩くので、なおさら通行がごちゃついている。。
これが雨が降ると、ドロドロぐちょぐちょの最悪の状態になる。。。
なので雨が降る前になんとしても買い物を済ませたいのだ。
(明後日にある程度の荷物を郵便局から日本に発送するので、
それまでにいろいろ買っておきたいものがあった。)
いそげいそげ!
スークでの買い物はいちいち時間がかかります。
値段が決まっていなく、いちいち価格交渉しないといけないからです。
値切り上手な人は極限まで値切りたおす人もいますが、
私はそこまで値切りません。
めんどくさいというのもあるけど、
お店の人もそれを作る職人さんも生活があると思うので。
まぁでも相場より高い場合は相場くらいまでは交渉しますが。
小ビンや真鍮の工芸品のお店と、
ラグスークにあるクッションカバーのお店をまわり、
鏡屋さんの前で鏡を見ていたら、おじさんが話しかけてきた。
お店の人かと思いきや、もう一人おじさんがやってきて、
「この人がこの店のボスだよ」と
先のおじさんは告げてどこかに行ってしまった。
ボスという人が対応することになったので、
交渉して大小合わせて10数枚鏡を買いました。
ボスもそんなに買うとは思わなかったようで嬉しそうだったので、
「もう一声!」と言ったら少し値引きしてくれた。(笑)
鏡を包んでもらって帰ろうとすると、最初のおじさんが出てきて、
どうやらお向かいのお店の人っぽいのだが、
「自分が声をかけてお客さんを呼んだのだから、
少しマージンをよこせ。」と、
ボスに言っているようだった。
おそらくたくさん買ったのも見ていたのだろう。
ボスは「いやいや!」と断っていたが、
最初のおじさんも食い下がってモメている。
モロッコに来たばかりの頃の私だったら、
私の買い物で何かモメてたら「どうしよう・・」とオロオロする所だが、
こういうのでモメるのはモロッコあるあるなので、
買い物を終えた私はしれっとその場から去った。
我ながら多少の事には動じなくなったな。(苦笑)
買い付けから急いで宿に戻り、
部屋で休んでいるとゴゴーンと雷の音とともに、
ドドーッと雨が降ってきた。
今回のモロッコ旅では4日くらいスコールのような雨に見舞われた。
砂漠の国なのに・・。
私の雨女パワーもさすがにモロッコでは歯が立たないだろうと思っていたが、
パワーは増している気がする・・・。
ロビーの天井にかけられたビニールの雨よけに
雨の当たる音がダバダバと響いている。


ふぅ、外にいたら大変だったなと胸をなでおろす。
ロビーからはひかるさんとひかるさんの娘のあみらちゃんが、
動画を見ながら歌を歌っている声がする。
「きーらーきーらーひーかーるー♪」きらきら星だ。
その声がなんとも優しく、穏やかで眠りに落ちそうになる。
そういえば今日は朝ワルザザードから戻ってきて
午後は駆け足で買い付け。
わりとハードだった。
夕方、少し雨の止み間があったので、
夜食べる用にパンを買いに出た。
今回夕方になると近所にクロワッサンのワゴンが出ていたのだが、
ショコラクロワッサンや、甘い系のクロワッサンが何種類かあって、
それもフランスのブーランジェリーで売ってるような
モロッコとしてはクオリティの高い美味しいクロワッサン!
地元民はおやつ用に買うらしいけど。
こんなワゴン屋台が近くにあって、本当に良い場所なのでした。