【モロッコ旅行記 Season4 】4日目 <タズナフト>

【モロッコ旅行記 Season4 】4日目 <タズナフト>
 
※この記事は2018年4月に
モロッコに行った時の記録をリライトしたものです。
 
 
この日はラグ屋さんに行く予定で、
9時にラグ屋さんがホテルまで迎えに来てくれることになっていました。
 
朝ごはんはテラスでとのことだったので、楽しみに屋上に上がりましたが、
昨日から強風が続いていて、この日はガラス張りのお部屋に通されました。


朝食風景
 

ここはここで素敵だったけど♪
 
途中でフランス人のカップルが入ってきたのですが、
フランス人ってなんだか絵になるなぁと、
私はちんまりご飯を食べながら思いました。
 
モロッコの朝食はだいたいどこに行ってもこんな感じです。
卵料理(もしくはゆでたまご)、ホブス(パン)、
オレンジジュース、カフェオレ、ヨーグルト、
そしてクリームチーズやジャム各種。
ここではつぶつぶの入ったうすーいおかゆのようなスープも出ました。
 
日本の旅館も朝ごはんは
焼き魚、のり、納豆、味噌汁、漬物とだいたい決まっているから、
モロッコもどこもこんな感じで決まってるのかもね。
 
この日は一日仕事になるので、
しっかり朝食を食べてスタミナつけました!腕。

 
 
朝9時!ラグ屋さんが迎えに来る時間です!
 
ラグ屋さんは一度会ったことがあるけど、
その時は知り合いの日本語が話せるガイドさんが間に入っていたので、
直接話はあまりしませんでした。
 
今回は英語でのやりとりになりますが、それはかなりのプレッシャー。
(私の英語は中学生レベル)
今回の旅のミッションでも最大のミッションです。
 
そして本当に9時に迎えに来るのだろうか?(モロッコ人は時間にルーズ)
そんな不安を抱えながらロビーに降りると、すでにラグ屋さんは来ていました。
「ちゃんとしてる〜!」日本では当たり前の事でも、モロッコでは感動する。(笑)
 
ラグ屋さんはおそらくまだ30代くらい。
田舎の町の人だけど、わりとシュっとした雰囲気の人です。
 
挨拶を交わして外へ。
そしてタクシーを拾う。ん?タクシー?
 
てっきり自家用車で来ると思っていたので、タクシー?と驚いた。
っていうかここまでタクシーで来たのか?
 
プチタクシーという街の中だけを走るタクシーで行き先を告げると、
そこは別の街になるから長距離のグランタクシーに乗れと運転手に言われる。
 
そしてグランタクシー乗り場に連れて行ってもらった。
グランタクシー乗り場はスプラトゥールの
営業所のちょっと先くらいで近かった。
 
乗り場にはたくさんのグランタクシーが停まっていて、
係りのおじさんが街の名前を叫びながらお客さんを集めています。
各方面の街に、このグランタクシーは行ってくれます。


グランタクシー乗り場

 
ちなみに6人乗りで6人揃わないと発車しません。
(お金を人数分払えば6人じゃなくても行ってくれるみたい)
こういうの「日本人探しの旅」のせいじや、
バックパッカーさんのブログでは見たけど、
まさか自分がこういう車に乗るとは!と予想外の出来事に衝撃でしたが、
普通の市民が足にしている車だし、
ラグ屋さんも一緒だし心配はないでしょうと、心を落ち着かせる。
 
ただ、この車がいつ発車するのかは不安でしたが、
10分くらい待ったら人が集まったので(わりとすぐ集まる)、
出発することに。
 
ラグ屋さんはワルザザードの人だと思っていたけど、
タクシーの行き先はタズナフト。
そっか、前回行った場所はタズナフトだったのか・・と
今さら気づき、車はタズナフトに向けて走り出しました。
 
 
タクシーは定員の6人でフル状態です。
モロッコのタクシーなんてみんなおしゃべりして騒がしいのかと思ったら、
みんな大人しく静かに乗ってる。意外。(笑)
 
ワルザザードからタズナフトまでは1時間くらい。
お店もなーんにもない荒野の丘陵地帯をひたすら走ります。
「途中トイレに行きたくなったらどうするんだろう?」などと
いらんことを考えてました。(^ ^;)
 
そしてタズナフトに到着。
ここは小規模の街で、
ラグの産地という事もあり所々にラグ屋さんを見かけます。
二回目のモロッコ旅の時にも来た場所です。
 
ラグ屋さんのお店も街の中にあるらしく
(前はラグ屋さんの工房に行っただけで、
お店があるのは知りませんでした)、
案内されると、中では織り子さんがアフニフを織っていました。
 
織り子さんに「アフニフ?」と聞くと「アフニフ!」と答えました。
その後アラビア語で話をされたけど、全然わかんなかった。(^ ^;)
 
二階に上がると沢山のラグが!
「きゃー!」と一気にテンションが上がります!


ラグ店店内
 

これまではアフニフが好きでしたが、アフニフも可愛いけど、
他のラグも可愛いな〜と思い始めていたので、
今回はいろんなラグを見せてもらうことに。

お店の中を見て気になったラグを出してもらいつつ、
ラグ屋さんも珍しいラグを出して見せてくれます。
 
やはり現地に来るといろんなものが見れますね♪


ベニワレン
 
 
 
 

まずは一枚目、ベニワレン。
白い毛糸と長い毛足に黒いダイヤ柄が一般的ですが、
ちょっと色の入ったものや、ダイヤ柄以外のものもあります。
ヨーロッパや日本でも今人気が高いラグで、
メズモロでも問い合わせが出てきたので今回買い付けました。
 

 

 

 シャドウィ

 

 

二枚目は私がかなり惹かれたカッコいいラグ。

「シャドウィ」という初めて聞くラグでした。

平織りで白黒の民俗調の模様が特徴です。

端っこに入っている赤いラインもおしゃれ!

 

白黒部分は染色していない天然の羊の毛を使っていて、

黒い羊は数が少ないので黒い毛は貴重なのですが、

これだけふんだんに使った贅沢なラグです。


 

 アブラッシュ

 

 

 

三枚目はアブラッシュというキリム。

波のような模様が特徴です。

複雑な模様はとても手間がかかっています。

気が遠くなるような作業を感じられるラグですね。

こちらは今回は買い付けませんでした。

 

 

キリムボシャルウィット

 

4枚目はキリムのボシャルウィット。

ボシャルウィットは切り裂いた布を織ってヒラヒラしたものが多いですが、

こちらはすっきりと平織りタイプ。

コットン素材でお洗濯も可能なので扱いやすいですね。


 

ゼンモール

 

 

5枚目はオールドのゼンモール。

ボーダー状になった模様織りが特徴です。

こちらも手間を感じさせる複雑な模様。

別のオールドのゼンモールを買い付けたので、

これは買いつけませんでした。


 

 

グラウィ

 


6枚目はニュースタイルのグラウィ。

平織りと起毛部分のミックスがグラウィの特徴ですが、

写真は新しいタイプのデザインのグラウィ。

日本のインテリアには難しそうなので、こちらも却下。

 

 

 ハンディラ

 

 

7枚目はハンディラというラグ。

フサフサのフリンジにキラキラメタルの装飾が特徴です。

おしゃれな雑誌で見かけたりしますね。

モロッコの結婚式に使われるラグだとか。

白いものが多いですが、これは黄色ですね。

今回は買い付けなしで。

 

タズナフト

 

 

 

8枚目はタズナフト。

ベニワレンに比べて細かい起毛のラグです。

ノット数が多いので、ちょっと高額になります。

写真のタズナフトはおとなし目の色とデザインなので、

日本のお部屋にも合わせやすいですね。

可愛いと思います!

 

 
 
お店でラグを選別した後は、ラグ屋さんの自宅兼工房へ。
お店のある街中からラグ屋さんの車で移動・・って車あるじゃん!
 
何でワルザザードまでタクシーで来たんだろう?
ガソリン代節約かな?道がわからなかったのかな?
 
街中からちょっと走った所にラグ屋さんの家はありました。
前回も来たけど、こんなにタズナフトの街の近くだったとは。
(すごい人里離れた場所だと思っていた。)
 
ラグ屋さんは弟さんがいるのは知っていたけど、
この日はお兄さんがいました。
「え!3人兄弟なの?」と聞くと、
「姉妹もいるから全部で7人。
お父さんお母さんも入れると9人家族!ビッグファミリー!(笑)」と
言っていました。(凄)
 
ここはラグの毛糸を草木染めする工房です。
モロッコのよくあるラグ屋さんの常套句で
「これは草木染めだよ!」と言って貴重な感じを訴えたりしますが、
売られているラグで草木染めのものは5%くらいだそうです。
 
草木染めをやる工房も少なく、
きれいな色が出せる技術がある所も少ない。
この工房はとある日本人(私も会った事があります)の
指導もあり技術はしっかりしています。


草木染め作業風景
 

メズモロではまだ草木染めのラグは扱っていませんが、
機会があれば扱いたいと思っています。


工房を見学した後は、工房の裏にあるラグ屋さんのご自宅へ。
奥さんとまだ2歳くらいの息子ちゃん。
あとはお母さんと姪っ子ちゃんがいました。
 
息子ちゃんは私が珍しいのか、
全く警戒心なくニコニコと寄ってきます。
くったくのない、モロッコの子供だなぁという感じで可愛い。
 
そしてお母さんに羊の毛を毛糸にする作業を見せてもらいました。
 
最初はただの刈って洗っただけの羊の毛。

 
毛の塊
 
 
それを小さな針のついたブラシのような道具を
擦り合わせてスパニングしてもつれをなめらかにしていきます。
 
これも力がいるのでなかなか難しい。
 
 
スパニング
 
 
 
 
ほぐれた毛糸はよって糸巻きをコロコロしながら巻いていきます。
この作業もやらせてもらいましたが、
糸巻きをコロコロしながら羊毛を均一に糸にするのはとても難しい!
 
いや〜、お母さんの職人技には頭が下がりました。


 
糸を紡ぐ
 
 
 
手作業で作った毛糸は作り手の技と労力がかかっています。
 
羊の毛を刈って、毛糸を作り、染色して、織る。
ラグが出来上がるまでにはこれだけの行程があり、
それだけの人の手が加わっているのです。

 
ラグ屋さんのお宅の周りには数件家があり、
その中の一つのラグ屋さんでも少しラグを見ました。
 
そこではキリムのボシャルウィットを一枚買いました。


キリムボシャルウィット

 

そしてお腹も空いたので街へ戻りました。

近所の子がお昼休み後学校へ戻る所で

(モロッコでは生徒はお昼に一回家に帰るようです)、

車に一緒に乗り、途中にある学校で降ろしました。

こういう助け合いが普通に行われるのがモロッコの良いところです。

 

街中のカフェに入り(ここも前に来たことあった)、クスクスを注文。

待っている間にラグ屋さんが男の人を連れてきました。

明日はバラの谷ケラア・ムグナに行く予定でしたが、

そこの案内をしてくれる人だそうです。

 

「どのレベルの工房が見たいの?」と矢継ぎ早に質問してきます。

そんなにすらすら英語が話せる訳ではないので、

「えーっと」とか言っているとたたみかけるように話してくる。

「ちょっと話しづらいなぁ」と思っていました。

 

しかも出発前のメールではラグ屋さんも同行してくれるとのことでしたが、

ここにきて「明日は行かないかもー」みたいになってる。Σ(゚д゚;)

「ちょっと待って!この人と二人だけ!?」と思わず動揺してしまった。

 

ラグ屋さんとしては、ラグ屋さんなので

ラグには詳しいけどケラア・ムグナには詳しくないから、

行っても満足いく案内ができないとのこと。

「えー!それでも一緒に来てー!」と懇願する私。

 

ラグ屋さんとそんな話をしている間もその男性はずっと話しかけてくる。

「今、こっちと話してるっちゅうの!」

 

わーわーと話がまとまらないので、

ラグ屋さんがいつも取り次ぎをしてくれている知り合いのガイドさんに電話をかけてくれた。

ガイドさんは「それはラグ屋さんにも行ってもらわないとダメですね。」と、

ラグ屋さんを説得してくれてなんとか同行してくれることになりました。(ほっ)

でも最後に「インシャッラー(神の思し召しがあればの意)」とか言っていたので

本当に来てくれるのかずっと心配だったけど。。。。

 

 
さて、ラグの買い付けも完了し、タズナフトからワルザザードまで戻ります。
ラグ屋さんにまたタズナフトからワルザザードまで往復させるのも申し訳ないけど、
ここから一人で帰らないといけないのかなぁ・・と思っていたら、
やはり一人で帰ることになりました。(;´ω`)
 
タズナフトのグランタクシー乗り場でまた人が集まるまで待ちます。
ラグ屋さんがタクシーの運転手さんに
「この日本人をワルザザードのタクシー乗り場ではなく、
ホテルまで送り届けてくれ。」とお願いしてくれていました。
 
いろいろ不安だけど、気づかってくれているのが嬉しい。
 
そして6人集まったので、タクシーはワルザザードに向けて走り始めました。
 
帰りは全くもって見知らぬモロッコ人の中に一人ぽつねん状態です。
帰りのタクシーもみんな静かにしている。(笑)
 
そして1時間くらい荒野を駆け抜けてワルザザードの街に戻ってきました。
「ほんとにホテルまで行ってくれるかなぁ〜」とそわそわしていましたが、
ちゃんとホテルに送り届けてくれました。
 
到着とほぼ同時に運転手さんに電話が入り、
「友達からだよ!」と私に電話を渡すとラグ屋さんからでした。
無事に着いたかどうか確認の電話をしてくれたのでした。
 
ラグ屋さんにも運転手さんにも「ありがとう!」とお礼を告げ、
良い人たちだなぁ〜と思ったのでした。(*´ω`*)
 
 
 

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