【モロッコ旅行記 Season4 】5日目 <ケラア・ムグナ>

※この記事は2018年4月に
モロッコに行った時の記録をリライトしたものです。
5日目の朝、今日はバラの谷ケラア・ムグナに行きます。
香水やローズウォーターの素になるダマスクローズの産地で、
この時期はバラの収穫期でもあります。
バラ農園を見に行ってバラ製品を買いにいく予定。
朝食は強風も止んだのでテラスに出て食べました。
朝はまだ暑くないので気持ちが良いです。
ホテルのフロントにいたきさくな感じの女性スタッフもテラスにいて、
私のテーブルを通り過ぎて行くときにウインクしてました。
本当に親しみやすい人たちです。
朝食を終えて、今日も9時に迎えに来てもらう約束です。
ラグ屋さん来てくれてるかなぁ〜と下に降りると、
ラグ屋さん、来てくれてました!(*^ ^*)
でも一人だったので「ケラア・ムグナを案内してくれる彼は?」と聞いたら、
「今日は来ない」とのこと。。
私が昨日やいやい言ってしまったので、気分を害したのだろうか・・?
そんなこんなでこの日もラグ屋さんと二人で
グランタクシーに乗り、ケラア・ムグナに向かいました。
ワルザザードからケラア・ムグナまでは1時間半の道のり。
タズナフトよりちょっと長いね。
タズナフトまでの道のりは何にもない荒野の丘陵地帯でしたが、
ケラア・ムグナは風光明媚なカスバ街道の途中にあります。
このカスバ街道をずっと終点まで行くとサハラ沙漠の街メルズーガです。
カスバ街道には古い朽ち果てたような土づくりの要塞や
かつての集落の跡が所々見られ、味わい深い風景となっています。
私も大好きな道

でも、ぎゅうぎゅうのグランタクシーは身動きも出来ず、
止まってくれもしないので、素通りです。(TωT)
ケラア・ムグナが近づいてくると、
バラ製品のお店がちょいちょい出てきます。
そしてケラア・ムグナの中心地にあるグランタクシーの発着所に到着。
モロッコの中規模の街の中心にはその街を象徴するオブジェがありますが、
ここはもちろんバラのオブジェ。


ちなみにワルザザードは映画のフィルムのオブジェで、
ミデルトという中アトラス近くの街はりんごです。
さて、ここからバラ農園のある協同組合に行く予定ですが、
ラグ屋さんがいろんな人に場所を聞いたり電話をしている。。
場所がわからないのかな・・・?(・_・;)
この先どうなるのか全くわからず身をまかせるしかないのであった。
バラ農園の場所をいろんな人に聞いて、
とりあえずタクシーに乗らないと行けない場所のようなのでまたタクシーへ。
タクシーは中心部からどんどん離れていきます。
絶対に歩いては戻れない距離。。。
何にもない所で帰りはいったいどうするんだろう。不安だ。。
ラグ屋さんが運転手さんと話をいていて、
どうも行き過ぎてしまったようで。。。
別のタクシーを拾って戻れと言われ、
何もない所(写真の場所)で車を降ろされる。。。不安だ。。
「車来るのか?」と思いつつ、
ラグ屋さんと二人で道端に立ってタクシーが来るのを待っていると、
時々タクシーが通り過ぎていく。
思ったより走っているみたい。(ほっ)
でも満席のタクシーばかりでみんなスルーして行ってしまう。
10分15分くらい待ってやっと捕まった!
またラグ屋さんが運転手さんにいろいろ聞いていて、
少し戻ったまた何もなさそうな場所で降ろされました。
でも今度は場所は合っていそう。
農園の人に電話してくれて、
わかりやすい所まで来てくれるとのことでした。

何もないよー
ラグ屋さんはラグのお仕事が専門なので、
バラの事も詳しくないし、
ガイドのように人を案内することも得意ではありません。
ケラア・ムグナのバラ園にたどり着くまでも
ちょっと右往左往してしまいました。
「アドベンチャーだね!」と私が言うと、
ラグ屋さんは申し訳なさそうに笑いながらも、
「昨日雑誌を見てローズウォーターの協同組合を調べた。
場所がよくわからなくて。」とのこと。
あぁ、不得意ながらも私の無理なお願いを
叶えてくれようとして調べてくれたんだなぁと感動。
ほんと、いい人だと思いました。
それと同時にモロッコにも「るるぶ」とか
「なんとかWalker」的な雑誌があるのかなぁ?と、
ふと想像してしまった。
何軒か民家のある道を歩いていると、
協同組合の女性が待っていてくれた。
さっそく工房に連れて行ってもらう。
工房は壁がピンクに塗られていて可愛い〜。
そしてご家族で運営しているのか、
お父さん(おじいちゃん?)とお孫さんもいた。


お父さんは英語が話せないので、フランス語でラグ屋さんに説明をして、
それをラグ屋さんが英語で私に伝えてくれます。
ここまで来る道すがら、そんな予感はしていましたが、
今年はモロッコは異常気象で本来ならバラの収穫期なんだけど、
二週間くらい遅れていてまだ咲いていないのだそうだ。。。
「せっかくバラの時期にケラア・ムグナまで来たのに・・。」
と思いながらも仕方ないね。。
ローズウォーターの生成機も稼働していなかったけど、
機械の仕組みや作り方をざっと案内してもらいました。
(フランス語を訳した英語なので半分くらいしか理解できず・・。)
残念だなぁ〜また今度バラの時期にここに来れるだろうか・・。
でもこの日はラグ屋さんの健闘と、
バラ農家さんの笑顔に心が洗われました。
また15分くらい路上でタクシーを待ち、街の中心部へ戻ります。
拾ったタクシーは、助手席のドアが壊れかけていて、
途中で人が乗ってきたけどドアがうまくはまらず半ドアのように閉まらない・・。
運転手が降りてきてしばらく開けたり閉めたりしたけどちゃんと閉まらず、
諦めてそのまま走り始めた。
日本じゃ絶対ありえない光景。。
街の中心部に戻り、バラ製品のショップを見て回ることにしました。


小さなお店が軒を連ねています。
中はローズウォーター、ローズオイル、シャンプー、石鹸などなど
数件のお店に入り、それぞれの店主おすすめの商品を買いました。
ラグ屋さんも普段ケラア・ムグナに来る事がないので珍しいのか、
いろいろ買っていました。(笑)
そしてさきほどの協同組合の工房で買っていた
ローズウォーターを一本くれました。(優しい)
それからランチをとって、またワルザザードに戻ります。
帰りは今日はラグ屋さんも一緒でしたが、
私は助手席になりました。
暑いのでお水はずっと持ち歩いていましたが、
たまった疲れと日差しが入ってきて体力がどんどん奪われる感じ。
(エアコンなしです。)
お水をこまめに飲んでも熱中症一歩手前のヤバそうな感じになりました。
倒れるほどではなかったけど、
疲労困ぱいでワルザザードのタクシー発着所に着きました。
今日はタクシーはホテルまでは行ってくれなかったけど、
ラグ屋さんがホテルまで送ってくれました。(ほんと優しい)
お礼ももっと丁寧にしたかったけど、
疲れた頭には最低限の英語しか出てこず・・・。
こういう時に「もっと勉強しないとなぁ」と思うのでした。。
熱中症一歩手前のような感じで部屋に着いた途端、
ばったりとベッドに倒れこんでしまった。
しかし夕方ごろ、また夕飯問題をふと思う。
また10分も歩いてレストランに行くのはしんどいし、
お腹がそれほど空いているわけではないので、
タジンを食べるほどの食欲もない。
でも何も食べないと夜中お腹が空いて辛いだろうと考えていたら、
そう言えばグランタクシー乗り場に行く途中に
サンドイッチスタンドのようなものがあったのを思い出した。
そこなら5分かからないくらいで行けるし、軽めのものがある。
「頑張って行くか〜」と部屋から出た。
外出時にはフロントで翌日の朝食の事を聞かれるのだが、
明日はマラケシュに戻るので、そのバスの時間が早いので
朝食取れないかもと言うと、フロントの綺麗系のお姉さんが、
「それじゃ、夜のうちに用意しておいて部屋に届けますよ。」と言ってくれた。
外に出ると「なんじゃこりゃ?」というほどの数の人々が歩いていた。
お祭り?マーケットが行われているのか?
数件となりの広場にテントの出店がたくさん出ていたり、
移動式の遊具なんかも出ている。


ちょろっと覗いて見たら、民族衣装を売っていたり、
生活雑貨を売っていたり、お菓子や果物の屋台が出ていたりしていた。
「もっと元気だったらじっくり見ていくんだけどな〜」と、
人ごみにもまれながらサンドイッチスタンドへ。
サンドイッチスタンドで注文の品を待って座っていたら、
いきなり誰かがピトッとくっついてきて、びっくりして思わず見たら、
小さな男の子が満面の笑みでくっついていた。
ふと通りを見るとその子のお母さんらしき人が微笑んでいる。
外国人の私が珍しくて寄ってきたんだろう。
こんなくったくのない人懐っこさがモロッコのいい所。
向こうの警戒心のなさが、こちらの気持ちもオープンにしてくれる。
また人ごみをかき分けてホテルに戻るとフロントの人がいない。
鍵がないと入れない。。
女性が一人ロビーにいたので困っていると、
「買い物に行ってるみたい。」と教えてくれた。
仕方ないのでロビーでサンドイッチを食べながら待っていると、
さっきの綺麗系のフロントの女性があたふたと戻ってきた。
どうやら明日の私の朝食の買出しをしていたっぽい。
その後も部屋にいたら夜にそのフロントの女性がやってきて、
朝食セットのいろいろ乗ったトレーを
よいしょよいしょと抱えて届けてくれた。
フロントの人が自ら何でもやるのだな。
日本じゃお客さんをお待たせするよりも
スタッフを増やしてスマートに対応するのが当たり前だけど、
モロッコだと少しくらい待ってもいいじゃないか〜という気になる。
別にそれでもいいんだよね。スタッフは一生懸命やってくれてるし。
日本はいろんな事を急ぎすぎて、
完璧にしなきゃ!ってみんなカリカリしている。
きちんとする事はいい事だけど、何かが本末転倒な気がして仕方ない。
そしてそんな手間がかかってもきさくな笑顔の素敵な女性に
心を打たれないわけはないのであった。