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旅する小説「星の王子と砂漠の井戸」

第15話<また心が折れた日>


マラケシュのリヤドの朝。


フェズのリヤドは重厚な趣のある感じだったけど、
マラケシュのリヤドは洗練された雰囲気だ。


ヨーロッパ人がオーナーの所がよくあるので、
ここもそうなのかもしれない。


中庭には小ぶりなプールがあり、オレンジの木が植えられている。

小鳥のさえずりと時々吹く風が心地よい。
薄手のカーテンがさらさらとなびいていた。


外はあんなにバイクの音や人の声がうるさいのに、
一歩建物に入るととても静かなのが不思議。

優はここからわりと近くの安宿に泊まっているようで、
お昼にリヤドに迎えに来てくれた。


二人でスークに向かって歩いていると、
「俺ここに泊まってんだ!」と建物を指差した。


「一泊100ディルハムだぜ!」と言っていた。


簡素ではあるが、それほど汚いという感じでもなく、

そこに1000円ちょっとで泊まれるなんてすごい。


しかし街を歩いていると、何だかみんな悪い人に見える。


昨日まではモハメッドが一緒で守られている感じがあったけど、

今日はどこからどう付け込まれるかわからない。


時々「道を案内するよ!」と声をかけてくる人がいて、

優はさらっとかわしていたけど、
私ひとりだったら怖かったなと思う。


スークは細い路地に無数のお店がひしめき合っていて、
様々なものが売られていた。


中にはほこりだらけで「誰が買うんだ?」というものを
店に並べている所もある。


なんとなくエリアごとに同じ系統のお店がまとまっているようで、

バブーシュという革スリッパのエリア、真鍮のエリア、
木工のエリアなどがあった。


すると、かご製品のお店の前で可愛いかごバッグが目に入った。

しばしかごバッグを眺め、

「私このバッグ買う!」と優に告げると、


「俺ちょっと隣の店見てる!」と

優は隣のメタル製品のお店に入っていった。


モロッコでの買い物は定価がないため、
値段を自分で決めて交渉をしないといけない。

でもやったことないし、どうしたらいいのかな?


オロオロしていると、店主が声をかけてきた。


「あの、これいくらですか?」と、かごバッグを指差す。


「いくらがいい?」と店主が聞いて来た。


最初いくらって言えばいいんだろう?

とりあえず低めからスタートってことは知ってるんだけど。


「えーーと、 30ディルハムオーケー?」と言うと、


店主はちょっとした間の後「オーケー」と言った。


「え! うそ! 30ディルハムでいいの!」



初めての交渉で400円くらいでバッグが買えそうで
テンションが上がった。


30ディルハムを渡すと店主は店の奥に行き、戻ってくると、
請求書のような紙に数字を書いて見せてきた。


「600ディルハムだからお金が足りない」と言う。


「え? 30ディルハムって言ったよね!?」


ぼったくりだ!!

頭にきた! 私はもうここでは買わない!



「バッグはいらないからお金を返して!」

強い口調で言ったがお金を返してくれなかった。


「ノー! バックマネー!」

と叫んだら、20ディルハムだけ返してきた。



「ノー! 10ディルハム!」

とさらに叫んでやっと全額返してもらった。


怖いのと悲しいのと悔しい気持ちでいっぱいになった。


優が隣の店から出てきて、私の様子がおかしいのを見て
「どうした?」と聞いてきた。


「ぼったくられかけた……」

落ち込んで言うとその様子を見た優は


「ちょうど昼だし飯でもいくか?」と言って、

私たちは近くのカフェに入ることにした。


優が気を利かせて、
おしゃれなテラスのカフェを選んでくれたけど、
気は晴れなかった。


また感情を抑えられなくて垂れ流しな自分が不甲斐ない……。


「ねぇ、明日はエッサウィラに行こうよ」

優が言った。


「マラケシュも面白いけど、
エッサウィラはもっと落ち着いていて
奈美はきっと好きだと思うよ」


モロッコに来てからモロッコ人も
「エッサウィラに行け」とおすすめしてくる。

もともと予定がなければ行こうかなと思っていたし、
「うん、行く」と言った。


「エッサウィラは海辺の町で魚が美味くてずっとぼーっとしてられる。

人も適度にほったらかしてくれるって言うか」


「そうなんだ」


エッサウィラには興味があったけど、
今日は何だかもうテンションが上がらない。


「リヤドに帰りたい」


優に告げると
「わかった」と言ってまたリヤドまで送ってもらった。


「明日エッサウィラに行くなら
バスターミナルに行かないといけないから、また迎えに来るよ。

タクシーでバスターミナルに行こう」


そう言って「じゃ!」と街中に戻って行った。


私はなんだか情けなくて、
その日はリヤドから一歩も外に出なかった。




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こんにちは!メズモロです!
キュートなモロッコ雑貨を、
真心をこめてお届けします!

モロッコを旅して出会ったモロッコの雑貨たち。
その可愛さに心を奪われただけでなく、
モロッコの工芸品を買う事はモロッコの人々の
生活の助けになるという事を知り、
2013年にショップを立ち上げました。
小さなショップですが素敵なモロッコ雑貨を通じて、
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