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旅する小説「星の王子と砂漠の井戸」

第14話<お祭り広場で心が近づく>


カサブランカからは高速に乗って、午後にマラケシュに着いた。


モロッコで一番華やかで賑やかな街。


ピンク色で統一された壁はおしゃれで、

人々もどことなく外国人に対してこなれているせいか、
開放的な雰囲気だ。



「これからバヒア宮殿と、サアード朝の墓跡群、
クトゥビアの塔を見学するよ!」


モハメッドは明るく言った。

カサブランカからの車中も二人きりだったけど、

モハメッドはずっと私を元気付けるかのように喋っていた。


私もそれに応えるようにたくさん笑った。


自動車や観光用の馬車「クチ」が行き交う
メッラーというエリア近くに車を停めて、
バヒア宮殿に向かう途中、
お土産屋さんの店頭で、
商品を見ている日本人を見かけた。


ん?って言うかあのゴールデンレトリバーみたいな、
ふわふわ頭は……。


モハメッドと思わず顔を見合わせて、その日本人に近づいた。

怪訝な顔で覗き込むと向こうも気がつき

「うわっ!」と声を上げた。


「優くん!?」


私も思わず声を上げると優はバツが悪そうな顔で目をそらした。


「なんで来たの?」びっくりして聞くと


「カサブランカから電車で」と、とんちんかんな答えをしたが、



「カサブランカから次どこ行こうか考えてたら、

ちょうどマラケシュ行きの電車があったから……」



と何やらごにょごにょ言っている。


「ふうん」


私も返事に困ってお互い立ち尽くしていると、
その様子を見かねたモハメッドが言った。


「ユー! これからどこか行く予定はあるのか?」


「いや、特にないけど……」


「それじゃ、一緒にバヒア宮殿を見学しよう!
あ、入場料は自腹だぞ!」と言った。


「俺はいいけど……」とちらっと私を見る。


「どうぞ」

私はそっけなく答えた。

バヒア宮殿は19世紀後半に建てられた宮殿で、
見事なタイル細工と彫刻が至る所に施されている、
贅を尽くした建築物だ。


中に入り、モハメッドの説明を聞きながら宮殿内を回る。

天井のモザイクもため息が出るほどの美しさだ。


噴水のある中庭に出た時、
モハメッドが知り合いのガイドを見つけたようで、

「ヘイ!」とそっちに行ってしまった。


「……」


気まずい空気が流れる。



星の王子 第十四話


が、最初に口を開いたのは優だった。


「あのまま別れるのも後味悪いって言うか……」


と伏し目がちに言い、

「言いすぎた、ごめん」と謝られた。


確かに、せっかくのモロッコ旅行で楽しかった思い出が、
台無しになるのはしのびない。


私も反省する点は多々あるし……。


「いや、私こそごめん……」と私も謝った。


モハメッドが戻って来て、私たちの様子に気がつき、


「ユー! マルハバ!(ようこそ!)」

と肩を抱いて歓迎した。

その後はサアード朝の墓石群、アグノウ門、

マラケシュのシンボルでもあるクトゥビアの塔を見学し、

ジャマ・エル・フナ広場が見下ろせるカフェでモハメッドと解散した。


モハメッドは自宅がマラケシュなので

「やっと家に帰れる!」と嬉しそうだった。


ここからは帰る日までガイド無しの自由行動となる。


「優はこれからどうするの?」

私も呼び捨てにしてみた。



「うん、どうせなら最後まで奈美に付き合うよ。
奈美が嫌じゃなければ!」


と意地悪っぽく笑った。



「一緒に回ってもいいよー! 嫌じゃなければ!」

とお返しに言ってやった。


フナ広場は夕方になるにつれて人が増えてきた。
屋台の準備をしているのか、テントを立てているのが見える。


しばらくカフェでくつろいだ後、私たちは屋台で何か食べる事にした。


広場はパプパプとラッパと太鼓の音楽が鳴り響き、
こんなお祭り騒ぎが毎日繰り広げられているらしい。



蛇使いや猿使いの大道芸人、
何か光る空飛ぶおもちゃを飛ばす人や

ペットボトル釣りのゲームなどを楽しむ人、
派手な赤い衣装を着た
通称「水売りおじさん」があちこちにいて
観光客は写真を撮ったりしている。


人混みをかき分けて屋台の方に進むと
テントからは煙がもくもくと立ちこめて、
それらを照らすライトが眩しかった。


カタツムリの煮物の屋台や羊の脳みそが置いてある所もあって、

「ひえー!」と思わず声が出た。


私たちは魚のフライとケバブの屋台で迷ったけど、
ケバブのお店に入ることにした。


威勢の良いお兄ちゃんが呼び込みをしている。

私たちが日本人だとわかると「マツコデラックス!」とか
「ダメヨ~ダメダメ!」とか
言ってくる。



ギャグが古いのがちょっと笑える。


それなりに満足するくらい食べて一人500円くらい。安い!

「明日はスーク(市場)を回ろうか?」と私が言うと、
「いいよ」と優は答えた。


屋台の後はフナ広場名物のジューススタンドで
生搾りのオレンジジュースを飲んで、
私はリヤドに、
優は安宿にそれぞれ帰った。




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店主よりご挨拶

こんにちは!メズモロです!
キュートなモロッコ雑貨を、
真心をこめてお届けします!

モロッコを旅して出会ったモロッコの雑貨たち。
その可愛さに心を奪われただけでなく、
モロッコの工芸品を買う事はモロッコの人々の
生活の助けになるという事を知り、
2013年にショップを立ち上げました。
小さなショップですが素敵なモロッコ雑貨を通じて、
モロッコと日本の人々の笑顔が増えれば幸いです。

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