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旅する小説「星の王子と砂漠の井戸」

第13話 <だから私はダメなんだ>


急いで女子トイレに駆け込み、辺りを見回したがバッグは無かった。

モハメッドもモールの事務局に問い合わせてくれたけど、
バッグは無いとのことだった。



「どうする? 警察に連絡する?」とモハメッドが聞いてくれたけど、

不幸中の幸いで貴重品は肩掛けのバッグに入れていたので、
あのバッグが無くても何とかはなる。


でもあの手提げバッグには、ガイドブックと化粧ポーチが入っていた。


明日からすっぴんで過ごさないといけない……。


限定色のお気に入りのリップも入っていたし、
ファンデーションにアイシャドーやマスカラ。
全部買い直したら結構な出費だ。

正直凹んだ。


「まぁ、お金とパスポート盗られないだけ良かったよね」



優が言った。


結局、諦める事にした。


モールからホテルに向かう車の中、

優とモハメッドはサッカーの話題で盛り上がっていたけど、

私は話す気になれなくてずっと窓の外を見ていた。


今日のホテルはチェーン展開しているビジネスホテル。

優は私のテンションが低いのを察してか、

いつもはすぐに「また明日!」とどこかに行ってしまうが、
モハメッドがチェックインの手続きをしてくれている間も
私と一緒にロビーのソファに座っていた。

「はぁーー 私ってほんと運が悪い……」


自分の不注意ではあるのだが、
気持ちがささくれ立っていた。


「運が悪いとかあんまり言わない方がいいですよ」


優が言った。


「うるさいなぁ。 ちょっとくらい言ったっていいじゃんか!」



私はちょっとイラついて言った。


「俺に当たんないでよ」

優は冷たい感じで言い放った。


「そういう感じでちょっと何かあると
わーわー騒いでふてくされて、彼氏に当たってたんでしょう?」

痛い所を突かれた。


と同時に私の中で何かがプツッと切れた。

「そっちもそうやって冷たくして、

これまでも人を傷つけてきたんでしょう!」



言ってしまって「はっ!」となった。


優は怒りとも悲しみともつかない目で私を見て、


「俺、ここで降りるわ。 さよなら」

と自分の荷物を背負ってホテルを出て行った。

モハメッドが戻って来て「ユーはどうしたの!?」と言ったが、
私は何も答えなかった。


酷いことを言ったのはわかっていたけど、心が頑なになっていた。


次の朝、優は現れなかった。


モハメッドも何も聞かなかった。


「ハッサン二世のモスク見て行く?」

と言うので「うん」と言った。


海際に立つハッサン二世モスクは美しかった。

モロッコ最大のモスクで、その塔は高さ200メートルもある。


ベージュとエメラルドグリーンの外装は素晴らしかったけど、
私の心は晴れなかった。


「だから私はだめなんだ……」


高い塔を見上げて涙が滲んだけど、
すっぴんだからアイラインが崩れる心配はない。




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店主よりご挨拶

こんにちは!メズモロです!
キュートなモロッコ雑貨を、
真心をこめてお届けします!

モロッコを旅して出会ったモロッコの雑貨たち。
その可愛さに心を奪われただけでなく、
モロッコの工芸品を買う事はモロッコの人々の
生活の助けになるという事を知り、
2013年にショップを立ち上げました。
小さなショップですが素敵なモロッコ雑貨を通じて、
モロッコと日本の人々の笑顔が増えれば幸いです。

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